11月のオススメ
11月も半ばになってしまって、今さらオススメ、でもないのですが…(すっかり更新をさぼっておりまして、申し訳ありません!)11月は感謝の時、外国では収穫感謝、そして日本では勤労感謝の月です。日本の収穫感謝、実りの秋といえば、9月か10月でしょうか。各地の秋祭りは、豊作を喜ぶイベントです。まず、収穫を感謝し、そして11月になって1年のそれぞれの働きを感謝し合う。都市型生活をしている者にはピンと来ない部分もありますが、日本ってすてきな風習があるのだなぁ、とちょっぴりうれしくなります。そしてそれが過ぎれば、年越しの準備、子どもたちはドキドキのクリスマスがやってきます。
さて、本題に戻って、今月は「はたらく」ということにスポットをあてて、2冊ご紹介します。
「クイールはもうどう犬になった」 こわせたまみ文 秋元良平写真 ひさかたチャイルド
かつて、テレビドラマや映画で取り上げられ、とても話題になったクイールのお話。盲導犬が広く認知されるのに、大きな役割を担ったのではないでしょうか。
生後まもなくから、将来盲導犬として活躍するために、里親のもとで細やかな愛情を受けて育つクイールは、やがて里親と離れて訓練の道に進みます。この夏、盲導犬を連れた視覚障害者が電車のホームから転落死する痛ましい事故が起きたのはご記憶に新しいと思いますが、写真家の秋元良平さんが撮り続けたクイールを見つめながら、あらためて盲導犬の働きとその盲導犬を育てる働きに目を向けたいと思います。
「時計づくりのジョニー」 エドワード・アーディゾーニ作 あべきみこ訳 こぐま社
ジョニーは小さな男の子です。手先が器用で、大時計を作ろうとあれこれ奮闘しますが、両親をはじめ、誰もまともに取りあってくれません。そんなジョニーの夢を信じるスザンナに励まされ、やがて大時計を完成させます。子どもの持つ力の大きさは未知数、それをある程度力の大きさのわかってしまった大人がどう取り扱うのか、真剣に考えさせられてしまうお話です。とはいえ、お話はワクワク感いっぱい。年長さんくらいだったら楽しめるのではないでしょうか。作者は、「チムとゆうかんなせんちょうさん」シリーズのアーディゾーニ。素朴なイラストもすばらしいです。
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