3月のオススメ
あっという間に3月、ジェットコースターのような寒暖の激しさ、そして少し季節のズレたインフルエンザの流行…卒園、卒業のいろいろな行事にも少なからず影響が出ていることでしょう。はれの日を迎える子どもたち、そしてご家族の皆さまが元気に過ごすことができますようにと、祈ります。
この時期に、いつも子どもたちに読みたい絵本を紹介します。以前にもご紹介したかもしれませんが、何度でも、手に取っていただきたい絵本です。
「とんことり」 筒井頼子作 林明子絵 福音館書店(こどものとも傑作集)
かなえは、山の見える町に引っ越してきました。お父さん、お母さんを手伝ってかたづけの途中、疲れて座り込むと、玄関先で「とん ことり」と音がしました。郵便屋さん?かなえが、玄関に行ってみると…
不安と期待で小さな心がいっぱいの子どもたちに寄り添って、一緒に読みたい本なのですが、筆者には、読み聞かせが難しい本です。何度読んでも、その度に作品からこぼれ落ちる暖かさと優しさに胸がキュッとしてしまい、言葉に詰まってしまうのです。そんな気持ちもまた、子どもたちに作品とともに伝えられたらいいなぁと思う1冊です。
「おかえし」 村山桂子作 織茂恭子絵 福音館書店(こどものとも傑作集)
たぬきの家の隣に、きつねの親子が引っ越してきました。「ほんのつまらないものですが…」と挨拶にきたきつねが、カゴいっぱいのイチゴをおいていきました。壮絶なお返し合戦の始まりです。相手を思いやって始めたことが、いつの間にか本来の意味を見失っていく…たぬきときつねの姿に大笑い、でも大人にはちょっとドキッとさせられるストーリーです。たぬきときつねの子どもたちの表情に注目です。
子どもたちが指折り数えて愉しむ場面を興ざめにしないために、噛まないように何度も下読をしてから読み聞かせを行います。筆者は以前、パネルシアターになった「おかえし」を見たのですが、これがまたとてもおもしろく…将来的におひさまぶんこでも、作成できたらいいなぁと思っています。
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