10月のオススメ
今年は秋の訪れが早い、と思っていたら10月になって、暑さが戻ってきました。まだ半袖は片づけられませんね。それでも朝夕の涼しさ、雲の形、そして秋を彩る草花や食べ物を感じながら、心にも体にも秋の実りをたっぷりいただきましょう。
今月は2冊ご紹介します。
「だいこんどのむかし」 渡辺節子文 二俣英五郎絵 ほるぷ出版
畑に種を蒔きました。たくさん蒔いたのに、ひとつも芽が出てきません。村人が心配していると、一つだけ芽を出した大根。村人は大喜びで世話をします。どんどん大きくなって…
村人の言葉に勘違いして、めくめくと泣き出す大根、村人たちと「だいこんどの」の暮らしが始まります。
やがて人間の身勝手さにだいこんどのは…
山形県の民話をもとに描かれたこの作品、だいこんどのの表情がなんとも愛らしいです。昔話は、方言など読み聞かせが難しい、イラストが子ども好みではない等、敬遠されがちですが、表紙のユニークさ、そして全体的に明るい色彩のイラストで手に取りやすいと思います。
「フレデリック」 レオ=レオニ作 谷川俊太郎役 好学社
最近、フレデリックがプリントされたTシャツを着ている子どもたちに出会うことが多いです。もしかしたら、お子様もお持ちではないですか?某アパレルメーカーとのコラボ商品なのですね。ちょっと目が据わったようなフレデリックは、世界中で愛されているのだなぁと思います。
でもふと思います。このキャラクターの元になっているお話のこと、知っている子どもたち、購入したお母さんたちは、どのくらい知っているのでしょう。それがどんなものかわかったら、きっともっと愛着が沸くことでしょう。
フレデリックはちょっと変わった野ねずみです。他の野ねずみたちが、せっせと食べ物を集め、冬備えをしている時に、何もしていないような野ねずみです。本人(本ねずみ?)は、「働いている」と言うのですが…仲間たちはフレデリックのその言葉の意味を、寒い冬が訪れてから知ることになりました。
内容的には少し難しいのかな、と思います。でもぜひ読み聞かせをしてあげて欲しい作品です。そして、読み聞かせた大人が何かを感じてくださったら、素晴らしいと思います。小さな子どもたちにも、印象に残るものがきっとある、と思っています。
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