6月のオススメ
真夏のような5月の後半、そして6月に入って、雨の季節が近づいてきました。毎年、この時期に書いていますが、雨の日は読書がいいです!絵本の世界で遊びましょう。日差しが出たら、外で元気パワーを発散してくださいね。おひさまぶんこは、今月もお休みなく、水曜日に開いています。お待ちしています。
今月も2冊ご紹介します。
「かえってきたカエル」 中川ひろたか文 村上康成絵 童心社
雨の季節、といえばカエルです!ご存知、「ピーマン村の絵本たち」の1冊です。お部屋で飼い始めたアマガエルは、「みどりちゃん」と命名されましたが、またしても園長先生の大失敗で、飼育箱から逃げてしまいます。果たして、みどりちゃんは見つかるでしょうか。園長先生のキャラクター、とても魅力的ですね。子どものような好奇心と、失敗しても、まっすぐ子どもに向き合う姿勢は、大人でも憧れます。
「チムとゆうかんなせんちょうさん」 エドワード・アンディーゾーニ作 せたていじ訳 福音館書店(世界の傑作絵本シリーズ・イギリスの絵本)
どちらかといえば、7月にご紹介したい作品ですが、あえて今月ご紹介します。船乗りになりたい少年チムは、かつて船乗りだったおじさんや、船長さんとも仲良し。ある日、おじさんと一緒にボートに乗って沖にとまっている大型の汽船を見に行きます。そのままこっそりと、汽船にとどまったチムは…そして、汽船の運命は?
なんとも大胆!1963年6月刊行、つまり今から半世紀以上前のお話です。今なら、インターネットでいろいろな情報が取れたり、連絡もできます。子どもが行方不明になれば、GPSで捜索したりできます。正確さ、早さ等が飛躍的に進歩した分、世界が小さくなったような、「でっかい夢」が見にくくなってしまったように感じます。そういう意味では、このお話を読んで、ピンと来ない…ということもあるかもしれません。でも、このような時代だからこそ、せめて絵本の世界では大胆に冒険して欲しいなぁと思いますし、一緒に読む大人もまた、おおらかな気持ちで楽しめるといいなぁと思います。
7月13日(月)まで、銀座教文館ウェンライトホールにて、エドワード・アンディーゾーニ展が開催中です。筆者もまだ見に行っていないのですが、チャンスがあったら、ぜひお運びください。そしておひさまぶんこスタッフに、ご感想を教えてください。