2月のオススメ

本の紹介

 1月のオススメコーナーをお休みしてしまいましたので、こちらで新年のご挨拶となりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 インフルエンザが、相当な勢いで広がっているようです。皆さんのご健康をいつも以上にお祈りいたします。

 さて、今年も(出来るだけ)毎月、おひさまぶんこにある本を紹介していきたいと思います。この文章を書いている今日は立春、ですが、この冬(春?)初めて本格的な雪が降りましたので、今ならまだセーフかな?…と雪の季節のお話をひとつ、そして、今年の干支にちなんだお話をひとつ、ご紹介いたします。

 「ねずみのおいしゃさま」 なかがわまさふみ作 やまわきゆりこ絵 福音館書店

 真夜中の急患の電話に、雪の中を出動したねずみのおいしゃさま。病気のりすのぼうやのところにたどり着けるでしょうか。寒い寒い大雪の日のお話なのに、なんだかほんわり温かい、優しいお話です。夜中に寝ないで仕事をしている方々、大人はくすっと笑えると思いますが、子どもたちの反応はどうでしょう?
 初版は1957年ですから、もうすぐ還暦を迎える絵本、ということになりますね。今の時代に読んでも違和感を感じない作品だと思います。ぜひお子さまと一緒に読んでみてください。

 「ぶどう畑のアオさん」 馬場のぼる作 こぐま社

 「11ぴきのねこ」シリーズをはじめ、たくさんのお話を描き、2001年に亡くなられた馬場のぼるさんの、遺作となった作品です。
 心優しく、のんびり穏やかなアオさんは、夢の中でぶどう畑をみつけます。夢の通りに道をたどっていくと、なんと本当にぶどう畑がありました。さて、アオさんはぶどうをお腹いっぱい食べられるでしょうか…
 他の作品でもそうですが、この作品でもちょっといじわる、ちょっとずるい…といった、「ちょっと」をつけてもいいような、悪の部分が出てきます。でもそれらは、「成敗」など必要なく、登場人物(動物?)の優しさ、柔らかさに包まれて、いつの間にか消えてしまいます。馬場のぼるさんの作品が、永く愛されているのは、このような部分ではないかなぁと思います。
 ぶどうの季節からは、ずれていますし、ちょっと長いお話ですが、ゆっくり手にとって読んでいただきたいと思います。