9月のオススメ

本の紹介

 長くて暑い夏が、一段落か…と思いきや、豪雨や竜巻…災害に遭われた方々を思います。自然の脅威を感じながら、穏やかな秋の訪れを待ち望みます。虫の声はひと足先に秋モードのようですね。今年の中秋の名月は9月19日とのことですが、その頃には少し秋らしくなっているでしょうか。

 今月は「月」にちなんだ絵本をご紹介します。「月」をテーマにした絵本は本当にたくさんあります。「星」よりも多いのではないかと漠然と思っていますが、静かな月、コミカルな月、感情剥き出しの月などなど、その扱われ方も様々です。今日ご紹介する2冊は「月」そのもののお話ではないのですが、「月」がなくちゃダメな本です。

 「おやすみなさい おつきさま」 マーガレット・ワイズ・ブラウン作 クレメント・ハード絵 せたていじ訳 評論社

 お部屋の中にあるものたち、外に輝くお月さま、ひとつひとつにおやすみなさい。おもしろいお話ではありません。寝る前に読む本はあまりおもしろ過ぎたら、興奮してしまって眠れなくなってしまう…と思えば、この本は寝る前に読む本として最適なのでしょう。静かな言葉、モノトーンに近い穏やかな色づかいが、心を落ち着け、眠りにつく準備を手伝ってくれそうです。ぜひ寝る前に読んであげてください。あ、お母さん、あなたが寝てしまってはダメですよ。

 「つきよのかいじゅう」 長新太作 佼成出版社

 湖に住むというかいじゅうを、10年も待ち続ける男の前に、ある月夜、ついにあらわれた巨大な「かいじゅう」。果たしてその正体は…?そして、その正体を知った男は…?長新太さんのナンセンスワールド全開の絵本です。「ボコボコボコボコ ボコボコボン」絵本の文字を見ているだけで、お腹に響く音が聞こえてくるようです。