8月のオススメ

本の紹介

 立秋の声を聞くと同時に、猛暑がやってきました。おひさまぶんこは、一日のうちでも最も暑い時間帯に設定しているので、「たくさんのお友達に来て欲しいなぁ」と思う反面、「暑い時間だから無理をせずに、涼しいところでゆっくり体を休めて欲しいなぁ」と毎年この時期はジレンマに苛まれるスタッフです。

 今月も2冊、オススメします。

 「青いかいじゅうと赤いかいじゅう」デイビッド・マッキー作 きたざわきょうこ文 アーニ出版

 高い山をへだてて、青いかいじゅうと赤いかいじゅうが住んでいました。2匹は山にあいた穴を通して会話をしました。言葉のやりとりから、会ったこともない相手に腹を立てたり、理解できなかったり…やがて2匹は「山が崩れたら相手に会えるかもしれない」と、石を投げて山を崩し始めます。2匹は会うことができるでしょうか。
 「子どもといっしょに愛と平和を考える絵本」ということで、巻末に作者の北沢杏子さんの大人向け解説があります。8月にちょうどよいと思いますし、深く思うところもありますが、まずは、お話をたっぷり楽しんでいただけたらと思います。

 「ひとまねこざるときいろいぼうし」 エッチ・エイ・レイ作 光吉夏弥訳 岩波書店

 
 8月5日、岩波書店が創業100年を迎えました。長い歴史の中で、子どものためのすばらしい本がたくさん刊行されてきたことに敬意を表して、「岩波の子どもの本」から紹介したいと思います。

 「ひとまねこざる」のシリーズは、好奇心旺盛なおさるのじょーじのたくさんのお話が刊行されています。アニメーションにもなりましたし、近年、新シリーズも刊行されています。様々なハプニングを呼ぶじょーじですが、何ともいえない愛らしいキャラクターです。
 この「ひとまねこざるときいろいぼうし」は、日本での刊行は1966年、シリーズの他の作品より後に刊行されていますが、原著では一番最初に描かれた作品です。じょーじの大切なパートナーになる「きいろいぼうしのおじさん」との出会い、アフリカからの航海などが描かれています。
 このシリーズ、どれもかなり長いお話なので、おはなし会で読む機会はなかなかありません。ぜひご家庭で、ゆっくり読んでいただきたい本です。おひさまぶんこには、初期のシリーズしかないのですが、最近のシリーズと並べて読み比べてみるのも楽しいかもしれませんね。