3月のオススメ

本の紹介

 今年はオリンピックイヤー、今日は、4年に1度の2月29日です。3月が目前というのに、寒い毎日、今年はまだ梅の花もあまり見られません。しかも雪!本当に春の待ち遠しい今日この頃です。

 さて、3月のオススメは、ちょっとワクワクするお話しを取り上げます。3月といえば、ひなまつり、旅立ち…とネタはたくさんあるのですが、今回はあえて行事に関係のなさそうな本を2冊選んでみました。

 「おもいついたらそのときに!」 西内ミナミ作 にしまきかやこ画 こぐま社

 ちいさな丘の上のちいさな家に、ねこと暮らすおばあさんがいました。いいお天気のある日、おばあさんの頭の中でピカッと光ったこと…「おもいついたらそのときに!」とおばあさんは、すぐに実行に移します。そうしている間にも、おばあさんの頭の中には、ピカッ、ピカッと次々に発想が浮かびます。それをどんどん実行していくと…ドタバタのストーリーですが、読んでいると元気が出てきます。おばあさんとパートナーのねこの表情がとてもすてきな楽しい絵本です。
 私事ですが、「おもいついたらそのときに!」は、一時期我が家の流行語になるほど、子どもたちも大好きな作品でした。


 2冊目はこれ、あまりに有名な「おおきなかぶ」…ですが、今日ご紹介したいのは、こちらです。

 「おおきなおおきなおおきなかぶ」 ヘレン・オクセンバリー絵 アレクセイ・トルストイ文 こぐま社編集部訳 こぐま社

 おじいさんが畑に植えたかぶの種は大きく育って収穫の時を迎えましたが、なかなか抜けません。おじいさんは、おばあさんを呼んできて…とお話しは、「おおきなかぶ」と同じです。だって、原作者をご覧ください。同じトルストイの作品なのです。でも、かなり違うお話しに感じてしまうのは、オクセンバリーの茶目っ気たっぷりのイラストのせいでしょう。登場人物の表情や居場所、体の大きさなどを見ていると、この家族の力関係が見えてくるような気がしておもしろいです。「おおきなかぶ、知ってる〜!」というお子さまにぜひ読んであげて欲しいもうひとつの「おおきなかぶ」です。このお話しに初めて接するお子さんには上記の「おおきなかぶ」(内田莉莎子訳・佐藤忠良絵)を先にオススメします。