11月のオススメ

本の紹介

 ようやく晩秋の冷え込みを感じるようになりました。とはいえ、まだ昼間は上着のいらない日もあったりして、体調の管理がとても難しいですね。幼稚園や学校でも秋の行事がいろいろと行われる時期だと思います。皆さんが元気に過ごすことが出来ますよう、お祈りしています。

 さて、今月もまた月の後半になってからのご紹介で申し訳ありません。今月も3冊ご紹介します。

 「はつゆき」 西片拓史作 岩崎書店

 この季節にぴったりな絵本。刊行は2007年ですが、おひさまぶんこの新刊です。初雪がどうやって出来るか、ご存知ですか?それは雲の中の水蒸気が…なんて言っている大人の方…どうぞこの絵本をご覧ください。一年間の様々な思いや出来事をこめて作られる初雪は、子どもたちだけが楽しめる秘密のイベント。大人の私たちはこの絵本でそのお裾分けに預かりましょう。
 ほんわかと優しいイラスト、もちろん子ども向けですが、大人の方が夢中になってしまうかもしれません。

 「ぞうさんレレブム」 ビネッテ・シュレーダー作・絵 矢川澄子訳 岩波書店(岩波の子どもの本)

 とても古い本です。1978年刊行当時、380円の絵本、今新刊で買ったら840円します。時代を感じますね。でも中味は意外と古くないのです。
 みなさんが知っているぞうさんは何色ですか?まさか真っ青ではないですよね。レレブムは真っ青なぞう。どうしたらみんなと同じような灰色になれるかと、いろいろ試してみるのですが悲しい結果が待っています。みんながどうあれ、自分は自分。鼻から青い噴水を吹き上げるレレブムはすてきです。ビネッテ・シュレーダーさんは、「ラ・タ・タ・タム」の作者、「ラ・タ・タ・タム」の細かいイラストとは対照的にシンプルなイラストで親しみが湧きます。「岩波の子どもの本」は、ちょっと年長児向け(長い・渋い)作品が多い中で、これは年少児でも楽しめる作品だと思います。

 「たあんきぽおんきたんころりん〜たんたんたのしいうたづくし」 長谷川摂子文 降谷なな絵 福音館書店

 10月18日に67歳で亡くなられた長谷川摂子さんを悼み、1冊ご紹介いたします。特にストーリーがあるわけではありません。言葉遊び、とにかくテンポが良いので大きな声を出して音読していただきたい作品です。降谷ななさんの元気の良いイラストも手伝って、楽しい絵本に仕上がっています。乗ってくると自然に体も動くように成ると思いますよ。

 ☆ 12月はクリスマス関連作品を特集したいと思います。お楽しみに!