10月のオススメ
10月、といえば読書週間ですね。毎年10月27日から11月9日までの2週間と決められています。歴史は古く、戦後の昭和22年から続いているそうです。今年の標語は「信じよう、本の力」。もちろん、私たちも本の力、お話の力を信じています。子どもたちの心に、将来豊かな実を結ぶ種となることを。今月もたくさんの本との出会いがありますように。
今月も2冊のオススメ本を用意しているのですが、急遽もう1冊増やして、3冊紹介いたします。
「もりのかくれんぼう」 末吉暁子作 林明子絵 偕成社
おにいちゃんを追いかけて、いつもと違う帰り道、初めて入り込んだ小さな抜け道は、大きな森につながっていました。そこでけいこが出会ったのは「もりのかくれんぼう」という少年。もりの動物達と一緒にかくれんぼが始まります。
秋色、といってもいい黄色の美しさをぜひ楽しんでください。ほっこり優しさを感じる、末吉さんの言葉と林さんのイラストがすてきです。そして、かくし絵さがし…これは、結構難易度が高いです。もしかしたら、お子さまの方が上手に見つけられるかもしれませんね。
「りんごのきにこぶたがなったら」 アニタ・ローベル絵 アーノルド・ローベル文 佐藤凉子訳 評論社
たくさんのこぶたを買ったお百姓。ところが畑仕事もぶたの世話もすべておかみさんまかせ。あきれた怠け者です。「りんごのきにこぶたがなったら」どうなるのでしょうね。さて、この怠け者のお百姓におかみさんが仕掛けたのは…?おかみさんの機転が痛快です。また、こぶたのかわいらしさも注目です。ローベル夫妻の、楽しい世界をお楽しみください。(紹介画像が小さくてごめんなさい)
「もこ もこ もこ」 たにかわしゅんたろう作 もとながさだまさ絵 文研出版
今月3日に88歳で亡くなられた元永定正さんを追悼して、紹介させていただきます。元永さんのことは、絵本を通じてしか知らなかったのですが、前衛画家として、紫綬褒章も受けていらっしゃる方です。たしかに前衛的、という言葉が合うのかもしれません、原色と紙面からはじけ出てしまいそうなダイナミックなイラストは、小さい子どもたちにも強烈なインパクトを与えます。谷川俊太郎さんの繰り出すオノマトペとの調和はすばらしいです。0歳児でも楽しめます。大人でも楽しめます。ぜひ、音読してみてください。
元永定正さんの作品は、他にも「がちゃがちゃ どんどん」、「もけらもけら」など数冊、おひさまぶんこに置いてありますので、探してみてください。
心より哀悼いたします。
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