8月のオススメ
例年に比べて、セミの声が静かだったり、戻り梅雨のようなジメジメとしたお天気が続いたり…夏らしい夏とは言えない感じです。節電の夏には、ありがたい穏やかな暑さですが、プール遊びには、もう少し陽射しが欲しいところですね。
さて、今月も2冊、ご紹介します。今回はどちらも日本の作家によるものです。
「ぐりとぐらのかいすいよく」 なかがわりえこ作 やまわきゆりこ絵 福音館書店(こどものとも傑作集)
子どもたちのみならず、大人にも人気の「ぐりとぐら」シリーズ第3弾!海水浴にきたのねずみのぐりとぐらは、瓶に入った手紙を受け取ります。差出人はうみぼうず。何やらぐりとぐらにお願いがあるようです。ぐりとぐらは、うみぼうずとどんなおはなしをするのでしょう…
まず、ぐりとぐらの水着姿がとってもかわいいです。そしてうみぼうずとともに繰り広げるマリンショー。思わず拍手したくなります。海水浴に行けなくても、泳ぐのは苦手でも、夏のこの時期、ぜひ絵本の海に飛び込んでいただきたいと思います。第3弾、といっても刊行からすでに35年。全く古さを感じないどころか、今もなお新刊が生み出されるすばらしいシリーズです。中川李枝子さんと山脇百合子さんは姉妹で、もうかなりのお年になると思いますが、精力的に作品を世に送り出していらっしゃいます。おふたりあってのこのシリーズ、いつまでもお元気いてほしいですし、もちろん続刊も期待しています。
「ぶらぶらばあさん」 馬渕公介作 西村繁男絵 小学館(おひさまのほん)
お話は、フンコロガシのフンたろうが、ぶらぶらばあさんと出会うところから、始まります。ともに旅をして、様々な人(?)たちと出会い、ぶらぶらばあさんに不思議な言葉にとまどいながら、その意味を考えたり実践していくうちに、少しずつ成長を重ねます。
まず、ショッキングな表紙ですね。タイトルもすごい!でもお話はかなり哲学的といいますか、子どもより大人の心に刺さるお話かもしれません。フンたろうとぶらぶらばあさんのやり取りの中に、生きていく上でのいろいろなヒントが見いだされるように思います。読み聞かせでも幼児よりは小学生向きだと思いますが、ぜひ1度手に取っていただきたい作品です。続編もあります。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません