7月のオススメ

本の紹介

 暑い暑い夏!今年はいつもとちょっと違った夏休みをお過ごしかもしれませんね。節電対策の一環として、冷房の効いたところでの読書などは、いかがでしょう?おひさまぶんこは、夏休み中も変わらずに開いていますし、もちろん公共図書館利用もいいですね。たくさんの本に出会える夏でありますように。

 さて、またしても月末になってしまいましたが、今月のオススメ2冊です。今回はまず、外国作品から。

 「ジャイアント・ジャム・サンド」 ジョン・ヴァーノン・ロード作 安西徹雄訳 アリス館

 むんむんむしむし暑い夏に、チクチク村を襲ったハチの大群、この数なんと400万匹!村人たちは知恵を出し合って、相談し、解決策をみつけました。「ジャイアント・ジャム・サンド」計画、果たしてうまくいくのでしょうか…

 小さなハチに対して、一致団結した村人の壮大なスケールの計画が着々と進められ、ドキドキさせられます。その一方で、個人的に解決しようと走り回る人々も何人か…1ページごと、隅々まで楽しめる絵本になっています。コミカルな作品ですが、ハチがイヤな方は、遠くから少しずつ近づいて読むことをお勧めします。


 
 「ねぼすけスーザとあかいトマト」 広野多珂子作 福音館書店:月刊こどものとも470号 1995年5月号

 こちらは、洋風ですが日本人作家のお話です。いつもねぼすけのスーザですが、今日はマリアおばさんが作ったトマトの初出荷の日。ロバのサンチェスと一緒に張り切って町の市場に向かいます。なかなか売れないトマトにがっかりのスーザですが、ちょっといいことを思いつきました。

 とにかくトマトの赤がきれいです。手に取って、そのままかじりたくなるようなトマトです。広野さんの優しい絵と言葉が気持ちよく感じます。ぜひ親子で楽しんでいただきたい絵本です。「ねぼすけスーザ」はシリーズで数冊描かれていますが、残念ながらハードカバーになっている作品がほとんどなく(私が知っているかぎりでは「ねぼすけスーザのおかいもの」だけです)、この「ねぼすけスーザとあかいトマト」も月刊誌のみです。おひさまぶんこでは、福音館の月刊誌は、他の絵本と離れたコーナーに置いてありますので、スタッフにお声をかけていただければと思います。